イントロダクション

 甲子園出場を有力視されていた高校野球部が、県大会予選一回戦でエラーをきっかけにまさかの敗退。チーム内に広がる不協和音。そんな時、男性部員がほとんどいない演劇部から野球部員レンタルの申し出。「野球だけの人間になるな」という指導理念を持つ監督は、これ受け、バッテリーと、エラーをした当人を演劇部の助っ人に送り出しました。「俺たち、そんなヒマはない」と反発する野球部員たち、突然の助っ人に役を奪われた形の演劇部員たち。戸惑い反発する彼らの間に青春の化学変化がはじまった…。

 8年前に原作 「野球部員、演劇の舞台に立つ」(竹島由美子著、高文研刊)に出会った監督に始まり、その思いを受け継いだ一人の製作者が物語の舞台であった八女市に移り住み、粘り強く市民に語り続け、次第に市民の理解と協力が広がる中で、この映画は製作されました。それは、若者たちに“本気”で向かい合った演劇部顧問、そして野球部の監督のように“本気”でこの企画に向かい合う映画人と市民の姿が重なり合う“奇跡”の出来事でした。

 道を歩きながら、あるいは電車の中で隣り合う仲間の姿が目に入らぬかのようにスマホを覗きこむ若者たち。子どもから大人へと成長する“青春”の時代にどんな仲間と出会い、どんな体験を積み上げるのか。“子どもたちには、向かい合う大切な仲間と生きる青春の瞬間に気づいてもらい、大人たちには、乗り越えてきた自らの青春を重ね合わせながら、今を生きる若者に向かい合ってほしい”そんな願いを込めてこの映画は創られました。

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